バレエでは、腕の動きのことを、
ポール・ド・ブラと呼ぶ。
誰にとっても、
滑らかに美しく動かすことは、
とても難しいのだが、
思春期に差し掛かったばかりの生徒にとって、
女性らしさを求める腕の動きは、
ことさら難しい。
「腕の動きひとつで、お客様が、涙するようにならなくてはだめよ。」
と、言うと、
「えっ」と驚いた表情。
その一瞬の後、すぐさま
顔がキラキラと輝き出した。
その顔を見て、
「そうだよ。それが、芸術なんだよ。」と伝えた。
ポール・ド・ブラを、ただ、腕を動かすだけのことだと思っていたのだろう。
自分のやっていることに、誇りを感じたような表情に変わる生徒たち。
ステップアップしたね!
レッスンの後半、踊りは、ぐっと良くなった。