「かえるになったお姫様」ストーリー

かえるになったお姫様

深い深い森には、森の守り神の鹿たち、そして、森の妖精たち、お花たち、小鳥たちが住んでいます。
森は、森の女王によって、いつも平和におさめられていました。

女王には一人娘のお姫様がいました。
お姫様は成長し、もうすぐ森の女王にならないといけない時が近づいていました。
しかし、姫は妖精たちと遊んでばかり。
女王という責任ある仕事につきたくないのです。
まだまだ、子どものままで遊んでいたいのです。

お姫様は、母の女王様から次の女王がかぶる王冠をもらいましたが、その重みがとても憂鬱で、投げ出してしまいました。

それを見てしまったお母様である森の女王は怒り、森全体にに魔法をかけてしまいました。
成長できないお姫様に試練を与えたのでした。

どんな魔法でしょうか。
一匹のあまがえるがお姫様のところに近づいてきました。お姫様は実はかえるが大の苦手。かえるに触れられてお姫様は気絶してしまいました。

その様子を森の守り神の鹿たちがその運命の行方を見守るように駆け抜けていきます。
お姫様は、ようやく気が付きました。
しかし、周りのお友達の妖精たちの様子が変です。
なんと、お姫様はかえるになってしまいました。
醜い姿になったお姫様は、自分の姿に驚き、悲しみました。
そして、悲しかったのは自分が変わってしまったことだけではありません。
周りの仲良かった妖精たちが、急に意地悪になりました。
可愛いお花や鳥たちはお姫様の姿に驚き、慌てたり、ひそひそ話をしたりしました。

お姫様は心について学びました。
意地悪されることがどれほど辛い思いになるのかということや、
中身はかわらないのに、見かけが変わると、周りの態度が変わることも学びました。

森の守り神の鹿たちがやってきて、森を駆け抜けました。

その時です。森は真っ暗になり、森の女王が現れました。
女王が人差し指を天に向けて高々と上げました。
ようやく、魔法がとかれました。

静まり返った森の中で、お姫様は、放り投げた王冠をゆっくりと被りました。

お姫様は、人の心がわかる温かく優しい立派な森の女王になりました。

森は元通り、温かく優しい妖精やお花や小鳥たちが平和にいつまでも暮らしました。

おしまい